イヴちゃんが「女性自身」に! 

先月の里親会に遊びに来てくれていた
【イヴ】ちゃん一家

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里親会の後に教えてもらったんですが
なんと「女性自身」の取材を受けて
掲載されたそう!

で、早速買いに走りましたょ!

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でも【イヴ】ちゃんが主役
・・ってわけではなくて

「八街少年院」で少年たちの矯正プログラムに取り組む
ドッグトレーニングのインストラクター「鋒山佐恵さん」が主役なのです



【イヴ】ちゃんは
その矯正プログラムの記念すべき第一期修了犬


里親会で約1年ぶりに会った【イヴ】ちゃんは
なんだか落ち着いた子になっていて

我が家ではっちゃけていた姿とは別犬!


【イヴ】ちゃんの今の幸せはすべて
鋒山さん 担当してくれた少年 そして新しいご家族のおかげです



今回の取材のことは
その鋒山さんからご連絡をもらって知ったのですが

ひとりでも多くの方に読んでいただいて
この活動知っていただきたかったので

(超長文でしたが・・・)
カチャカチャと全文タイプしてみました!!


***


『女性自身 ~シリーズ人間~』 より全文転載


愛されている
自分を
初めて見つけた。



見捨てられた犬と少年院の生徒たちの「心の矯正プログラム」

いままで「人生で否定されることの多かった」少年たちは、
犬との交流を通じて「愛されること」=自分の人生を歩むうえで
最も大切な「原点」を学んでいく。

殺処分されるかもしれなかった犬も、訓練を終え、
引き取られた家族のもとで新しい一歩を踏み出していく。

鋒山さんが橋渡しした絆が、
少年と犬を、ともに愛で満たしていく光景がそこにある。

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「はい、それじゃ、1列になって。グラウンドを大きく回ってみましょう!」
快晴の夏空の下、女性の張りのある大きな声が響く。
「はい!」
そろいのユニホームに身を包んだ3人の少年たちが、
負けじと、はつらつとした大きな声で答える。

7月末の千葉県八街市。
照りつける日差しが芝生の上に、女性と少年たちの濃い影を作っていた。
そして、少年たちの足元には、影のように寄り添う3 匹の犬がいた。

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緑の樹々に囲まれ、頭上には青い空がどこまでも広がっている。
まるで夏休みの課外活動の1シーンのようなのどかな光景。
だが、和やかに少年たちが 犬と触れ合っているこの場所は、
全国に52カ所ある少年院の一つ「八街少年院」なのだ。

犬を散歩させているのは、社会のなかで非行を働き、
家庭裁判所から保護処分を言い渡され、
ここに送られてきた少年たちである。


「アズキ、レッツゴー!」
1人の背の高い少年が、握りしめたリードの先を見つめ声をかけた。
すると、アズキと呼ばれたメスの雑種犬は、
その言葉を合図にピタリと少年の左脇について歩き始めた。
歩調を合わせながら、少年と犬は一歩一歩、前に進む。

「お、アズキちゃん、今日も上手に歩けてるね~!」
少年と犬の一挙手一投足に目を配り、女性は少し離れた場所から声をかける。
ときには、少年たちの緊張を解きほぐすかのように、少しおどけた調子も交えながら。

彼女は東京に本部を置く
一般財団法人ヒューマニン財団のドッグトレーニングインストラクター・鋒山佐恵さん(31)。
ドッグトレーニングの先進国、アメリカで長年研鑽を積んできた。

だが、彼女自身が直接、犬たちに指示を出すことはない。
「ここでは、私が犬をトレーニングすることはありません。
少年たちが全部やるんです」

日本各地の少年院では長年、
効果的な矯正教育の方法は模索されてきた。

そんななか、アメリカの更生施設や刑務所で、
犬を使った教育活動を経験した鋒山さんの協力のもと、
八街少年院が昨年夏から実践しているのが動物介在型の矯正教育活動だ。

少年たちが犬の訓練を通じて命の尊さを見つめ直し、
犬との信頼関係を築くための忍耐力や責任感を養うのが狙いである。

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約3ヵ月の間、
少年1人と犬1匹がペアを組み週4日、平日の午後に、およそ90分間の訓練を行う。
これまで2期、6人と6匹がこのプログラムを終了した。

本誌が取材に訪れたこの日、
第3期にあたる彼らの授業は、場所を屋内に移し、なおも続いていた。
20分ほどの座学の後、実際に少年たちが犬に「コマンド」と呼ばれる指示を出す
実技指導が始まる。

「シット」「ダウン」「ハウス」教室のあちこちで、
少年たちが身ぶりを交えながら犬にコマンドを繰り出す。
すんなりと動く犬もいれば、コマンドを 正しく理解できず、
戸惑いの表情でパートナーを見上げるばかりの犬もいる。

「大丈夫。できる、できる。もう一回やってみよう。
今度はもう少し、手の動きを大きく見せながらコマンドを出してみて」

苦笑いを浮かべ頭をかいていた少年に、
鋒山さんはこうして、ときに優しく、ときに厳しく言葉を投げかけ背中を押していく。
少年たちも真剣なまなざしで、辛抱強く犬に指示を出し続ける。

この八街少年院でのプログラムを、鋒山さんは「GMaC(ジーマック)」と名づけた。
「Give Me a Chance」の意味が込められている。

「ぼくにチャンスを、ということですが、この”ぼく”は、参加する少年たちはもちろんですが、
訓練を受ける犬たちのことでもあるんです」
少年たちとペアを組み、訓練されているのは
「保護犬」と呼ばれる自治体の動物愛護センターに収容されていた犬たちなのだ。

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少女ケイティは犬の訓練を通じて
表情がどんどん豊かになっていった


「恥ずかしいの?それで、そんなふうにして、隠れてるつもりなんだね、キミは(笑)」
棚と床とのわずかな隙間に鼻先だけを突っ込んで、
その場を動こうとしない白い雑種犬に、鋒山さんは笑いをかみ殺しながら、語りかけていた。

7月初旬。
千葉県富里市の千葉県動物愛護センターに、
鋒山さんは第3期のGMaCで訓練を受ける犬を引き取りに来ていた。

「今回譲渡した犬は雑種のオス。推定7~8ヵ月齢です」
説明してくれたのは同センターの副主幹・小野康予さん。

「6月10日に当センターで収容した保護・捕獲犬です。
首輪もない、たまにエサを与える人はいたようですが、きちんと飼われていたわけでもない、
半野良犬状態だったようです。
住民からの通報を受け捕獲され、同月18日が収容期限でしたが・・・
残念ながら、飼い主は現れませんでした」

センターに収容された犬たちには、
3通りの将来が待っている。

1つは返還と呼ばれ、期限内に本来の飼い主が迎えに来るケース。

2つ目は譲渡。
職員が健康状態や性格をチェックし、譲渡可能と判断された犬は、
ホームページや譲渡会を通じて新しい飼い主を探す。
千葉県の場合、 周知活動が行き渡り、加えて多くのボランティアの支援もあって、
収容された犬の3分の2ほどが新たな飼い主に引き取られている。

そして3つ目が殺処分。
返還も譲渡も果たせなかった犬たちは、炭酸ガスによって、その生涯を閉じる。

処分件数は最多だった時代に比べ10分の1以下に減少したものの、
昨年度も千葉県だけで500匹以上の犬たちが殺処分されている。

「今回の犬はまだ幼く、ややシャイですが、人にも慣れていて、
人間に牙をむくようなこともない。
健康状態も問題なく、譲渡に、と思っていたところに、
ヒューマニン財団から連絡が入ったんです」

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この日、鋒山さんが引き取った恥ずかしがり屋の白い犬は現在、
GMaCでペアを組む少年から「ウィル」と名づけられ、
日々、訓練を受けている。

「財団の活動のおかげで、うちで収容していた犬に、新しいチャンスが与えられたことを、
とてもうれしく思います。また、こうした施設の犬が脚光を浴びることで、
譲渡を希望する一般の方がさらに増えることにつながるんじゃないかと、
期待しています」


鋒山さんは’84年、滋賀県に生まれた。
幼いときから動物が大好きだった。
そして、物心ついたときには、家にポロという名の柴犬がいた。
「屋外で飼っていたし、そんなにベッタリかわいがるってこともなかった。
ただ、いつもそばに、当たり前にいる存在、それがポロでした」

中学の卒業式を目前に控えた早春の夕暮れどき。
鋒山さんはポロを連れ散歩に出た。
ところが、畑のあぜ道でポロは立ち止まってしまう。
老犬で、もう 見えないはずの目で、茜色に染まる空をジッと見上げたまま。
「何してんの?帰ろうよ」と声をかけても、ポロは動かない。

「30分ぐらいそうしていたと思う。
そのうち、急に吹っ切れたように歩きだして家に帰ったんですが・・・
それがポロの最後の散歩でした。
死期を悟っていたのかどうかはわからないけど、
犬の持っている不思議な力とか命の尊さ、生き物の死ということを、
このとき初めて教わった気がします」

人の役に立つ犬の訓練士になりたい―。
進路をそう定めた鋒山さんは’04年、アメリカに留学。
現地の短大を経て、カリフォルニア州にあるバーギン大学に入学。
世界で初めて介助犬を育成したボニー・バーギンさんが学長を務める大学だ。
介助犬訓練士を目指す者が世界中から集っていた。

「お金のない苦学生でしたけど、学長に気に入られて、学費を免除してもらう代わりに、
大学の手伝いをするようになったんです。
そのうち、どんどん仕事を任せてもらえるようになって。
そして関わったのが『シエラユースセンター』のプログラムでした」

アメリカではバーギン学長主導のもと、
すでに数年前から、犬を使った矯正教育のプログラムがスタートしていた。
鋒山さんがこのとき出向いたのも、 未成年の女子の更生施設。
ここでは矯正教育の一環として、少女たちが介助犬の基礎訓練を担っていた。

「約3年間、専任のインストラクターをしました。
いまと同じように、そこでは私は犬に触りません。リードも持ちません。
少女たちに犬を預け、私は少女たちに犬の訓練の仕方を指導したんです」

およそ40人ほどの少女の矯正教育に関わった。
なかでも印象に残るのは、ケイティ(仮名)という白人の少女だ。

「この子の母親は末期のがんでした。
余命いくばくもないママのところに、いますぐ帰りたいけど帰れない。
そんななかケイティはクール(仮名)とい うゴールデンレトリバーを担当することになりました」

ケイティは鋒山さんが「こんなおとなしい子が、いったいどんな悪さを?」
といぶかしむほど、物静かで寡黙だった。

「クールを彼女の前に連れて行って『アナタの犬よ』と言っても、無表情でなでるだけ。
それ以上のことにトライしようとしない。心を閉ざしたまま、 そんな印象でした」

しかし、ケイティはクールの面倒を見ながら、
少しずつ信頼関係を築き訓練を続けた。

「そうしていくうちに、彼女自身が変わっていった。
犬への指示 は、言葉だけでは何も伝わらない。
怒るときも褒めるときも、きちんと気持ちを込めないと。
犬の訓練を通じて、彼女は表情がどんどん豊かになり、
コ ミュニケーション能力も伸びていきました」

ケイティは母の臨終に間に合った。
家に帰って間もなく、彼女の母は、天に召された。

「犬が何か成功したり、逆につまずいたことをきっかけにして、
彼女たちの心の扉が一つひとつ開いていく。
そういう姿を間近で見たことで、私は自分が犬を訓練するより、
誰かに訓練を教え、人と犬、双方の成長を見守りたい、そういう思いが強くなった。
犬の訓練を通じて人が得られる力、忍耐力や 責任感など、
あげたらキリがないほどたくさんあるんですが、
そういった能力を最も必要としている人たちに身につけさせてあげたい、
そう考えるようになったんです」

’13年9月、鋒山さんは帰国した。
ちょうどそのころ、少年院を管轄する法務省では、
保護犬を使った少年の矯正プログラムが検討されていた。

鋒山 さんの
経験と志が生かされる舞台が整いつつあった。



セカンドオーナー「少年からイヴという命のバトンを受け取りました」

「あれ?あんまりほえなくなったんじゃないですか?」

この日、鋒山さんは神奈川県内の住宅街を訪ねた。
ここは、GMaCの訓練を終えた犬を引き取った、セカンドオーナーの家だ。

今回、少年たちのプライバシー厳守はもちろん、
セカンドオーナーの名や顔も明かさないことが、取材条件だった。

「少年たちが余計な情報に触れて、
万一のトラブルが起きることを避けるため。
新しい飼い主さんにもSNSなどで”GMaC終了の犬”と紹介しないよう、
お願いしています」

この家で暮らしているのは、
第1期GMaCで訓練を受けたメスの雑種犬・イヴだ。

「去年、一戸建てに引っ越したのを機に犬を飼おうと思って。
うちは夫婦共働きで子供たちも昼間は学校なので、
ちゃんと留守番ができる、ある程度訓練された成犬が欲しかった。
それでインターネットのヒューマニン財団のサイトでイヴを見つけたんです」

田中昌子さん(仮名)は、セカンドオーナーになった経緯をこう説明する。

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鋒山さんによれば、
GMaCは新しい飼い主のメリットも大きいという。

「家庭犬としての最低限の訓練を終えてますし、
3ヵ月の間に犬の性格も私たちは見極めています。
たとえば、すごくおとなしい犬は静かな環境に暮らす年配のご夫婦には薦められますが、
子供の遊び相手を探しているご家庭には向かない、
というように、間違いの少ないマッチングができると思いま す」

田中さんの家は30代の夫婦と中学生の長女、小学生の長男という4人家族。
この新しい家で、イヴは末っ子のように家族に上手に甘えてみせる。

この日もソファのお気に入りの場所を、
長女を鼻先で押しのけるようにして確保した。
「イヴったら、いっつもこうなんだもん」
苦笑いを浮かべる長女。

その横で田中さんは言う。
「なんかね、イヴって私たち人間が話していると、ジーッと見てるんです。
『私のこと話してる?』って感じで。ほら、いまもジッと見てるでしょ。
そ うよ、アナタのこと話してるのよ(笑)」

譲渡後、1通だけ新しい飼い主から少年に手紙を渡す決まりがある。
題して「サンキューレター」。
田中さんも、少年宛に手紙をしたためた。

「ちょっと恥ずかしいんですが・・・
『あなたが一生懸命イヴちゃんを訓練してくれたおかげで、
私たち家族はとても楽をさせてもらっています、ありがとう』
と書いたと思います。
私たち家族は少年から、イヴという命のバトンを受け取ったと、
そう思っています」

うなずきながら聞いていた鋒山さんは、またこう繰り返した。
「でもアナタ、ホントほえなくなったね~」と。

「犬も、新しい家族に迎え入れられ、落ち着いた環境で愛情をいっぱい注がれると、
どんどん気持ちが安定していく、そういうものなんです」

鋒山さんの視線の先には、うれしそうに尻尾をパタパタと振りながら、
子供たちとじゃれ合うイヴがいた。



謝辞を述べる際に声を詰まらせる少年。「俺たちの絆は一生もんだ!」

「先生 アズキって何色って言ったらいいかな?」
「なんで?」
「いや、よく見ると、いろんな色の毛が交ざってるから」
「アズキ色でいいんじゃね?」
「え~(笑)」

これは、9月に再訪した八街少年院の教室で交わされていた
少年と鋒山さんの会話だ。

1ヵ月と少しの間で、教室の雰囲気は一変していた。
もちろん3匹の犬は以前に比べ、少年たちの指示をよく理解し、
きちんとコマンドどおりに動けるようになっていた。

しかし、それにも増して驚かされたのは、
少年たちの変化だ。

最初の取材のときも、教室は和やかな雰囲気に包まれてはいた。
それが2度目の取材となるこの日。
少年たちは積極的に発言し、少年同士で助け合い、
ときに鋒山さんの冗談に笑い声まであげるようになっていた。
教室は活気に満ちていた。

少年たちの自主性が芽生え、
記者の目にも彼らの個性が色鮮やかに映った。

「明るくなった?鋒山先生がユーモアいっぱいの人なんで。
自分たちにもそれが移っちゃったんじゃないですかね」

アズキ担当の少年は授業の後、
こう言って笑った。

彼はいま18歳。
優しそうな笑顔が印象的だが、じつは今回で3日目の少年院だという。

「最初は15歳のとき。過去には傷害もあったけど・・・今回は窃盗です」
過去2回の少年院生活で、
彼は「自分が変わりたいと本気で思えるきっかけを見つけられなかった」と話した。

「自分はこれまで、一生懸命なんてカッコ悪いという世界で生きてました。
だから何事も適当にやってた。
でも、GMaCに参加したら、犬たち、皆一 生懸命なんですよね。
それ見てたら、いままでの自分の適当な人生がイヤだなと思ったし、
変えたいと思うきっかけになりました。
アズキと出合えたおかげで、いま自分が大きな岐路に立ってることに気がつけた。
これまでみたいに悪い世界へ一直線じゃなくて、
普通の生活、生き方をしてみたいと、心からそう思えるようになりました」

アズキと自分を重ね合わせて見ることもある。

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「自分の人生はこれまで、否定され続けてきたんで。
うじゃなくて『それでいいんだよ』と言ってくれる人が近くにいたら
モチベーションも上がったろうな、と思う。
アズキには、ちょっとぐらい失敗しても、そう言ってあげたい。
この先、アズキと別れると、確かに寂しくなると思うけど、
アズキは 新しい飼い主さんのもとで、幸せになってほしい」

カリキャラム作りなど、
GMaCの立ち上げから主導してきた八街少年院の山下嘉一首席専門官はこう話す。

「社会にいたころの彼らは、うまくいかないことがあったとき、
家が貧しいから、母子家庭だから、周りに悪い友がいたからと
他罰的な感情で物事を見る傾向が強いんです。
でも、そんな感情のままでは、犬の訓練で生じる問題はまったく解決できない。
『なんでできないんだよ!』と犬に怒ったところで何も進展しませんから。
どうしたらできるようになるのか、と問題を自分のことと捉えないと。
つまり、生徒たちは犬の訓練を通じて、
自分を見つめ 直すことの重要性に気付かされるんです」

約3ヵ月、すべての授業を終えると、
ささやかな修了式が行われる。

ヒューマニン財団が用意した修了証が少年たちに手渡される。
「犬の写真と一緒に額に入れて、少年一人ひとりに贈ります。
ま、社会的にはなんの資格にもならないんですけどね」

鋒山さんは謙遜するが、
少年たちにとってはなにものにも代え難い大切な宝物だ。
受け取って謝辞を述べるときには、
涙で言葉を詰まらせてしまう少年たちも少なくない。

式は少年たちが、相棒の首にバンダナを巻いて終わる。
ある犬のバンダナのコピーを見せてもらった。
そこには少年直筆の大きな「絆」の文字。

そして、こんな言葉が添えられていた。
「新しい家族で0からのスタートだな。俺も同じだ。お互いに新しく頑張っていこう。
俺達の絆は一生もんだ!」



「週末、犬がいなくなると、どうしたらいいかわからなくなって(笑)」


「まだ人数も少なく、始まって間もないですが、
GMaCを修了し、出院した4人の生徒は、全員再非行もなく、
しっかり社会生活を送っているという報告を受けています」
と、山下さんは胸を張る。

それほど効果的な矯正プログラムならば、
もう少し規模を拡大してもいいのではないか。
その問いに山下さんは何度かうなずいて、こう続けた。

「このプログラムは少年院で犬を飼養しているわけではなく、
そこに関してはすべて鋒山さんが一人でみてくださっている。
彼女の負担を考えると、なかなか犬を増やすとは言いにくい」

3匹の犬は、
ボランティアのサポートファミリーが預かってくれている週末をのぞいて、
ヒューマニン財団の飼育訓練センターを兼ねた鋒山さんの自宅で飼養されている。

「私の実家は、祖父母、両親、それに私と弟、妹の7人家族だったので、
家はにぎやかなほうが落ち着くんです」
現在、犬たちとともに生活する鋒山さんは言う。

「アメリカでもずっとルームシェア。他人が近くにいても苦にならない性分なんです。
そんな私がいま、人生初の一人暮らし。
犬たちがいてくれて、まだなんとか気もまぎれるんですが、
週末、犬たちがサポートファミリーのお宅に行っちゃうと、
途端にどうしたらいいかわからなくなっちゃう。
気付くと掃除して洗濯して庭の草刈りして、ハイ、休日おしまい、って感じ(笑)」

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第3期が修了して、犬たちが新しい飼い主のもとに巣立ったら、
もっと寂しくなってしまうのではないか、との問いに

「いや、またすぐ次の犬が来ますから。
それにいま、福島県でも新たなプロジェクトが動き始めています。
それはニートと呼ばれる、社会にうまく適合できない若者の自立支援に
犬の訓練を活用しよう、というもの。
だから、寂しがってる暇なんてないんですよ」

いつもの笑顔で、鋒山さんは立ち上がった。
「さ、キミたち、お散歩行くよ!」
3本のリードを握りしめ、鋒山さんは颯爽と駆け抜けていった。


取材・文/仲本剛
撮影/高野博


【ヒューマニン財団への寄付金の振込先】 

ゆうちょ銀行 00八(ゼロゼロハチ)支店 普通預金 5159065 
一般財団法人ヒューマニン財団

ゆうちょ銀行 記号10070 番号 51590651 
一般財団法人ヒューマニン財団



***


以上になります







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by yql04267 | 2015-10-17 01:14 | ●お知らせ